空間軸を中心として、写真やデザインなどから多面的にその輪郭を形成するアート活動です。

池田学、緻密さと余白で宇宙を描く

NOTE

 

佐賀県立美術館での池田学展「The Pen ―凝縮の宇宙―」を拝見してきました。

 

ikedamanabu

 

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池田学さんは、わずか1mmに満たないペンだけで、繊細ながらなおかつ壮大な世界を描き出すアーティストです。

緻密すぎて1日に描くことができる面積は握りこぶし程度とのこと。

 

 

その中でも圧倒的だったのはやはり「予兆」です。

 

予兆

池田学《予兆》2008 紙にペン、インク 190×340cm
株式会社サスティナブル・インベスター所蔵 撮影/久家靖英
(c)IKEDA Manabu, Courtesy Mizuma Art Gallery

出典:池田学展 The Pen ―凝縮の宇宙―

 

 

北斎を思わせる躍動感あふれる津波。

近づいてみると断片化された街並みが緻密に描かれている。

 

発表年は2008年、予言的タイトルと東日本大震災の瓦礫を彷彿させ背筋が凍りつきゾクゾクしました。

 

緻密過ぎるほどに描かれていることの凄まじさはもちろんですが、気になるのは余白。

気持ちよすぎるほど何一つ描かれていない余白。

 

この圧倒的スケール感はこの余白にあるのではないか。

余白さえも操り、描いているのか。

 

例えば茶室に良さを感じるのは、床の間に飾られる水墨画などの掛物が良いというわけではなく、それらが織りなす何もない空間です。そこに飾られる水墨画にもやはり余白が多用されていたようです。

 

池田学さんのDNAにも日本人としての余白に対する美意識が刷り込まれているのではと妄想しました。

 

この緻密さと余白美は日本人ならではと思うと、日本人であるというだけで僕はなんだか誇らしげな気持ちです。

 

あああ、久しぶりに圧倒されました。

 

 

 

 

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