Lab色空間の中空性

NOTE

 

よくインテリアコーディネートなんかでよくみかける色相環。

色の位置関係を見て、この色とこの色を合わせるとうまくまとまるよ、というものです。

よく言われるのが色相環の反対色、いわゆる補色は相性が良い、などです。

 

以前書いた中でもでてきた、赤と緑もほぼ反対色です。

色相環

ノートに書いた雑な落書きで申し訳ないですが、中心から矢印を伸ばすと向きが逆の同じ大きさのベクトルになり、総和はゼロになります。どうやらこの色の関係は、ベクトル的に見ると打ち消しあう方向である場合が多いようです。

 

 

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出典:色彩フルールーン『色彩の調和と論理』

 

 

正三角形の関係のこちらもベクトルが相殺される方向です。

 

上記までに挙げた色相環だと、彩度と明度を一定にすることを前提としていますが、実際の世の中には無限に色彩が広がっています。

 

なのでこれを立体に、彩度と明度の軸を増やして三次元に増やしてみるとどうでしょうか。

 

 

 

lab色空間

 

色彩の調和感は上の明度と彩度を無視した一次元的な関係のみならず、明度と彩度の軸を増やした三次元にも言えることではないか。これもベクトルがゼロになるように配置すればうまくまとまるのではないか。という仮説をたてました。

 

 

 

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出典:WEBサクセス『色覚について』

 

 

三次元な色空間、Lab色空間です。僕はなんとなくこの色の配置が好きです。RGBなどよりも今の僕の脳内イメージに近く、直感的でしっくりきます。ネーミングも好きです。化学出身でラボ好きですし。

 

この図を見て気になるのは、この図は中心にいくほどに無彩色なのです。ちゃんと色彩の勉強をした方からすれば、あたりまえじゃないかと流すところかもしれません。

 

ですが僕はどうも全体性を把握する上での規則性のようなものを感じざるをえません。そこで思い出すのが中空構造です。

 

https://md2v.jp/wp/keigobove-chukukouzo/

 

いつも中心を持たない構造。周囲に配置し秩序的中心を保つ構造。反対物をも内包する構造。

 

それぞれの色彩のベクトルの総和が中心のゼロに近づくように配置すると、それぞれが打ち消しあって相補的にバランスをとりあい、調和のとれた相乗的なエネルギーが生じるのではないか。

 

色空間全体のカウンターバランスを補完するかのような配色。

その配色は住空間さえも補完する。

 

ベクトル的に無彩色。

 

実際の世の中の物質はこれにそもそもの空間や素材、大きさなど無限に関係してくるから事態はもっともっと複雑ですが。

 

好きな画家、パウルクレーの本でこのように書かれていました。

 

造形思考(上) (ちくま学芸文庫)

一般には芸術家のいろいろな理論的省察や助言は、それこそ芸術上の自由の制限を示しているように見えかねないのだが、クレーの場合は制限するどころか、むしろ、すでに所与の世界観を一掃深化した。

 

 

理屈にねじ込んでいくのはつまらないかもしれませんが、無意識にやっていたことから規則性や共通性が垣間見えそうになるとわくわくしませんか。

 

今度は実験的に、いつもとは逆のアプローチをしてみました。

今まではほぼ無意識に配置していたものたちのなかに、普段使わないビビッドでパステルな色をあえて取り入れてみました。

 

lab

 

彩度明度の高い赤に明度の低い植物を合わせてみました。

補色の関係に近いです。

 

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鮮やかな群青色と橙色を取り入れ、その中間付近に位置する彩度明度の低い色で落ち着かせてみました。

こちらは三角形のベクトルに近いです。

 

案外馴染んでいるのではと思います。好き嫌いは別としてパキッと新鮮味が生まれました。

 

ベクトルの総和は大きさも向きもないただのゼロの点ではなく、何もないようでエネルギーに満ちたベクトルなのです。

 

初めから点を目指すと、他を受け付けない排他性を生んでしまう。そんなことを僕はよく考えます。

 

 

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