奥行きが増してく

僕はうまれつき左耳が聞こえてないので、いつだったか音楽が立体に聞こえるようにできてること知ってショックを受けた覚えがあります。
だけど、これもいつだったか、立体が平面にしか聞こえないという悲観的なものではなく、奥行きを出せるかどうかは自分次第ではないかと思えるようになって随分世界がひらけて楽になりました。

これは音楽に限らず同じように、空間さえも平面上へねじ込むこともできるし、平面にも奥行きを与えることはできそうだなと、絵画的物体や写真は僕にとってそんな気持ちでやってます。

絵画的物体についてはこちらに書いてます。

平面上の心地よいところに色を置いてゆくと、今いるこの部屋の3次元の空間とは別の奥行き方面に次元がめり込んで行くような感覚がするのです。

 

平面だから無限に配置できてしまうのです。

空間が、その平面上にも広がってゆく。
空間が、その平面上に濃縮されてゆく。

 

2年前にも似たようなことを書いたのだけど、今でもほとんど気持ちは変わっていません。空間のための空間の延長をつくりたいだけ。

最近、ひとつBlumoに納品させていただいたのだけど、この空間からその物体だけが切り離されて、そこでまたあたらしく空間が広がっていて、それってとても素敵なことだなと感激しました。

 

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文脈抜きにつくったものだけを見られたのなら、似たようなものをつくっているひとはいるかもしれないし、おそらく僕の知識や技術は乏しくって浅はか。
僕は知識や技術にも媚びることはできないけれど、自分が手探りにつくってきたこの部屋にだけは媚びることができる。
中心にはこの空間があるのだ。そう思って改装しながら暮らしておりました。
この絵画的物体は空間の延長であり写しなのだから、この空間に磨きをかけてゆくことは僕にとってはきっと遠回りではないのです。