POSTにて紹介されていたのを見て絶対好きだろうな‥と思ってそのまま購入。
オランダ出身のアーティストユニットScheltens(シェルテンズ)とAbbenes(アベネス)の写真作品集です。
日本の出版社が出しているので、日本語訳もついていてありがたい。
”自由な仕事と依頼を受けた仕事を区別する時期がありました。しかし、自分たちのホームページを作っている時にその区別が完全になくなっていることにきづきました。”とあるように、一貫した審美性ゆえか、別個のシリーズ、制作年や文脈が一見ランダムに配置されながらもまとまりを感じるページ構成となっていて、それぞれ単体でも美しいイメージ同士が、さらにそれらがどう相互作用するかという視点からも楽しめます。
大半のクライアントはファッション業界とのことで、ファッション業界の写真といえばスタイリストやモデルなどが多くの人が介入して、購買意欲を刺激させるような、きらびやかで激しいものを想像していたのだけれど、皆が知っているようなBalenciagaやHermèsなどハイブランドの写真も、Scheltens & Abbenesがやると冷めているというか、静かで的確な目線を与えてくれているというか、ミニマルなのにダイナミクスを感じる、こういうの一番好きだ。
告知イメージを担当しつつ、個人では空間のための作品を作ったりなど、ふわりとした今の自身の立ち位置をどうにか統合するようなヒントはここにあるだろうか。次の一手が見えてきそうな予感です。