『白』原研哉

導入: 2017/08 投稿:2020/03/18
この本を読んだのはブログを一番書いてたころ。空白とか?もう他で読んで聞いたことあるよ?と後回しにしていました。読んでみると、書いてあることはやはり当時自分が一番興味のど真ん中にあった、空白、感受性、可能性、エンプティネスなどなど、合理的なシンプルとは異なる言語化が難しい感覚を”白”という共通項を用いて解説されています。それがかなり的確で読みやすい。
学生の頃は化学系で混沌さを表す”エントロピー”という言葉には頻繁に触れていたので、この部屋という空間も宇宙空間のようにエントロピーという言葉で説明できるのでは?そんな文章を書けるのは元理系でインテリア好きの自分だけなんじゃないか!などと傲慢にも思っておりました。が、原研哉氏は”エントロピーの引力圏をふりきって飛翔することが生命である。(中略)白はあらゆる混沌から潔癖にのがれきろうとする負のエントロピーの極みである。”などなど、より広いスケールでさらりと言語化し、続編『白百』もあわせると他にもあらゆる角度から白について網羅していて、挫折にも近いショックを受け打ちのめされました。己の無知さを知ろう。白き感受性で生きよう。
広告